2006年02月13日
睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療(その2)
今日はこのニュース
睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピース治療は
2年前日本では健康保険適応されましたが、
アメリカのガイドラインでは有効性を含め
はっきりした位置づけではありませんでした。
改訂ガイドラインが睡眠時無呼吸に対する口腔内装具の使用にも言及
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AASMがCPAPを拒否するまたは改善しない患者のいびき
および軽症から中等症の閉塞型睡眠時無呼吸に対する
第一選択療法として口腔内装具を推奨
Laurie Barclay, MD
Medscape Medical News
Reviewed by Gary D. Vogin, MD
【2月2日】米国睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine;AASM)の専門調査委員会が閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)に対する口腔内装具(OA)の使用に関する1995年ガイドラインを改訂した。学術文献の広範な所見の付随論評に基づくこの新たな診療指針は、『Sleep』2月1日号に掲載されている。
「OSAは重篤な生命を脅かす疾患であるが、多くの患者にとって、その影響を軽減することは夜に口腔内装具を使用するだけで有効である」と、歯科睡眠医学会(ADSM)会長であるKent Moore, MD, DDSはニュースリリースで述べた。「スポーツマウスガードに類似したこの口腔内装具によって、最小限の不快感や睡眠分断で、軽症から中等症のOSAが治療できる可能性がある」。
OSAは、気道が繰り返し閉塞することによって起こり、米国では約1800万人が罹患している。症状として、いびき、気道閉塞、睡眠分断が挙げられ、さらに重症の合併症として、昼間の過度の眠気;高血圧のリスク増加;脳卒中、冠動脈疾患、うっ血性心不全、心房細動、心筋梗塞、死亡の発生率上昇が挙げられる。また、OSAは労働災害、自動車衝突事故、QOL(生活の質)の低下の一因となる可能性もある。
ガイドラインの新勧告は次のとおりである:持続気道陽圧(CPAP)療法よりもOA使用のほうを好む軽症から中等症のOSA患者、CPAP 療法の適応とならないまたはCPAP 療法が有効でない軽症から中等症のOSA患者にOAを用いる。
「口腔内装具は、他のOSA治療を試みて失敗した患者または治療コンプライアンスが悪い患者に有用である可能性がある」と、AASM会長であるLawrence Epstein, MDは述べている。
重症のOSA患者に対しては、OAの有効性を示唆する質の高い証拠が得られるまで、なるべくCPAPを用い、OAは次に検討する。
「口腔内装具は、総合的な口腔ケア、顎関節、咬合、関連口腔構造について教育を受けた経験豊富な有資格の歯科職員が装着すべきである」と、スタンフォード大学Center of Excellence for Sleep Disorders(カリフォルニア州)Clete A. Kushida, MD, PhDおよび共同研究者らは記している。「ポリソムノグラフィーによる追跡調査または外来心臓呼吸器系(3型)睡眠試験は、有効性を確認するために必要であり、またOSAの症状が悪化または再発したときに必要であると考えられる」。
また、ガイドラインは、コンプライアンスの監視、装置の劣化または調整不良の評価、口腔の健康および正しい咬合の確認のために、OA治療を受けるOSA患者を定期的に診察するよう歯科専門医に勧めている。また、OSAが悪化しているかどうかを確認するために、定期的に診察をする必要もある。
小児に対するOA使用に関する文献はそれほどないので、ガイドラインに記載された具体的な勧告は、青年および成人向けである。著者はさらに、ガイドラインには適切な治療法がすべて含まれ他の治療法は含まれないと考えないよう、また最終的な判断は医師が下すよう注意している。
OA治療を開始する前に、臨床徴候、症状、ポリソムノグラフィー所見を含む詳細な診断基準を用いて、OSAを診断し、睡眠関連呼吸障害の重症度を確定すべきである。
頭蓋計測法による評価は必ずしも必要ではないが、必要であれば実施すべきである。
OSAのない原発性いびき患者の治療目標は、いびきを主観的に容認できるレベルまで軽減させることである。OSA患者の治療目標は、OSAの臨床徴候・症状の消失、無呼吸低呼吸指数およびオキシヘモグロビン飽和度の正常化などである。
減量や睡眠時体位の変化などの行動療法が適応とならないまたは無効である原発性いびき患者はOAの適応となる。軽症から中等症のOSA患者では、OAはCPAP療法ほど有効ではない。しかし、CPAP療法よりもOAのほうを好む、CPAP 療法に反応しない、CPAP 療法の適応とならない、CPAP 療法や行動療法に失敗した軽症から中等症のOSA患者はOAの適応となる。
OA治療成功の予測因子は、体位性OSAおよび肥満指数(BMI)低値である。しかし、OAが有効かどうかを確かめるために継続的に検査をする必要がある。
重症のOSA患者に対しては、有効性のより高い経鼻的CPAP療法を最初に行うのが妥当である。また、特定の患者では、OAを使用する前に、扁桃摘出術およびアデノイド切除術をはじめとする上気道の手術、頭蓋顔面の手術、気管切開術の適応となるかもしれない。
睡眠試験による追跡調査は、原発性いびき患者に対しては実施する必要はないが、OSA患者に対してはOAの最終調整後に実施すべきである。また、後者については、歯科専門医が最初の1年間の間は6カ月毎に、その後は年1回以上追跡調査を実施すべきである。OSAの徴候・症状が悪化または再発した場合には、睡眠試験を繰り返し実施する。
今後の研究の優先課題は、OA療法の受容・成功し、コンプライアンスの良好な患者群の特定;OSAに対するOA療法のエンドポイントの確認;費用便益分析である。
「費用効果分析によってOA療法を他の治療法と比較できるように、短期および長期費用(必要とされる追跡調査費およびOA療法の間接費を含めて)に的を絞った経済評価を行う必要がある」と、著者らは結論付けている。「ある患者群にどのようなデザインのOAがよいのかを明らかにする研究も必要である。その結果、OAの選択はさらに正確なデータに基づいて決定できる」。
著者らは資金に関する情報を明らかにしていない。
Sleep. 2006;29:240-243
Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape
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私は今までの診療経験からマウスピース療法は
その適応を選べばかなり有効だと思っています。
ただ実際はっきりした有効性を証明するためには、
やっぱりPSGでの再評価が必要ですが、
経済的・時間的問題から再評価が
日本で充分にされているとは言えず、
そう言った意味からは本当に効果を証明・実感できてはいません。
今後アメリカのこのガイドラインが及ぼす影響に注目しています。
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コメント一覧
我が国にも早くから口腔内装置の有用性を強調していた専門家がいますが、残念なことに一般的には、効果の確認が後回しになる傾向があります。(2)に続く
同様に外科療法にもこのような共通点が有り、いつでもどこでも誰にでも同様の効果が得られるかという点ではまだまだ難しいところがあります。
一方、CPAP、特に固定圧式では機器の差は大同小異であり、その意味で効果を一群として評価しやすいとも云えるでしょう。米国が今更という時期にコンセンサスを作ってきたのは、見識といえると思います。また、終夜睡眠検査件数やCPAP台数の急速な増加が医療経済を圧迫することへの配慮もあるでしょう。いづれにせよ、今やCPAPを使用できない患者様に口腔内装置をお勧めすることは専門家としての義務と考えます。
コメントありがとうございます。
保険適応になる前、この治療を勧めるのに、
少しだけ躊躇がありました。
その後、多くの方にマウスピース療法をお勧めし、(おそらく年間300-400名なので、この5年間に2000名程度だと思います)また、その効果を自ら実感し、さらに保険適応がされ、昨年のこの記事で、OAの位置付けが確立され、
自信をもってお勧めできる治療法になったと
思っています。セファロやPSG所見から、より効果の高い方の選別が進むのではないかと思っています。
診療に終われ学会にも行けずに、なかなかお会いできず、ですが、コメント本当にありがとうございました。
コメント、今朝ちょっとしたサプライズでした。
今後ともご指導よろしくお願いします。


